第24章

三人は時々会話を交わしながら、ほとんどの場合は相澤おじいさんが質問し、樋口浅子が答え、相澤裕樹が時折一言二言加える程度で、雰囲気は和やかだった。

給仕が次々と料理を運んできて、良い食事マナーを守りながら、樋口浅子と相澤裕樹は静かに食事を楽しんでいた。相澤おじいさんは慈愛に満ちた表情で彼女のために料理を取り分けていた。

そのとき、突然個室のドアが開いた。

三人が同時に入口を見ると、来訪者を見た樋口浅子の笑顔がわずかに曇った。

相澤おじいさんはさらに不満げで、美味しい料理への関心も失せ、箸を「カチン」と音を立てて食卓に置いた。

「裕樹、これが家族の食事だということを知らないのか?どうし...

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